このページ用に白い白鳥の写真を送ってから、ひと頃「三白」と言う言葉がはやったのを思い出した。単純に白いもので「白鳥」・「流氷」・「雪」だったと思うがはっきりしない。知ってそうな人に電話したがつかまらない。悶々としながらそのまま夜飲みに出る。居酒屋の「今週のお勧め」に「氷下魚」と書いてあった。店の人に確認すると、コマイの一夜干しで、北海道の人に送ってもらったものだそうだ。常呂に帰ったときだけ食べられる魚と思ってた僕は、サワーから冷酒に替えて、また「三白」はなんだっただろうと考え始めた。
2004.2.29 常呂町広報「ふるさとの色彩」より




カニの話になると故郷のカニ自慢になって力が入る。
僕もオホーツク海の海明け直後の毛ガニが美味しいと頑張るのだけれども、他のカニを美味しい季節に食べたわけではないので、一番と言い張ることはしない。
 それでも、上海ガニを食べに毎年故郷へ帰ると言う中華料理店の一家に、常呂産の毛ガニを送る羽目になったりしたこともある。
 紅葉も故郷自慢の一つだ。皆、自分の紅葉ポイントを故郷に持っている。長野出身の友人からぜひ写真に撮ってほしいと言われたポイントに2、3年行きそびれた。最近その友人から催促の電話がこなくなったのは、北海道の紅葉は三色がはっきりして、とても鮮やかだと僕が自慢したせいかもしれない。

9.23.2002   常呂町広報「ふるさとの色彩」より










 浜風から長年遺跡を守り続ける柏ならの森の前で、足を止めた父は顎で草むらを示す。
 膝ほどの草をそっと分けると鈴蘭が群生していた。
 まわりの草たちに優しく抱かれ、白い花に少しの傷もなく木漏れ日に輝いていた。
 俳句を読む父と写真を撮る自分、30〜10年前の間の何時かの思い出。
 今度、娘を連れて探しに行こう。









 曲が’カリフォルニアの青い空’に変わった。父の形見のクラウンをゆっくり左に向け丘を登って行く。オホーツクの果てまで青い空だ、船の引く白い線がまぶしい。

 車を降りると海からの風がまだ冷たい、しゃがんでタンポポを見る。あふれた光が花になったように、そこ、ここで揺れている。好きな花だけど気に入った写真はなかなか撮れない。

 車からシャドウズの’春がいっぱい’が流れてきている。カメラはまだ車の中だ。

著中台均史 常呂町広報「ふるさとの色彩」より




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